2007年12月20日木曜日

ギボン リハビリセンターに行ってきた


バンペーの滝にあるギボンリハビリセンターに行ってきた。長年プーケットに住みながら初めて。ここでは観光客相手の客引きやら、捨てられたり、虐待されたギボンたちが収容されている。そして数段階のステップを経て、バンペーの滝そばに広がる国立公園の狩猟禁止区域で野生として暮らせるように放たれる。その活動をしているのがギボンリハビリセンター。1992年に設立され、Wild Animal Rescue Foundation of Thailand (WARF) のプロジェクトとして活動している。

一般の人が見られるのは金網を通していくつかの檻に入ったギボン。ごぶたまがカメラを向けても(フラッシュ禁止)、かつて人間と一緒にいたためか?じっとこちらを見ている。何枚か撮影して、あんまりかわいくもないなと思って、帰りがけに一通りそばにあった掲示板に目を通した。そこにはここにいるギボンたちの1匹1匹がかつてどうやって暮らしていて、どうしてココに来たかが書かれていた。胸がつまった。小さな鳥かごに押し込められていたもの、箱に入れられて捨てられたもの、ひどく虐待されて絶命寸前で救出されたものなど、みんな小さなときだけかわいがられたり、客引きにつかったりして、そのあと持て余してしまったということじゃないかと思う。実際5,6歳になるとギボンもペットとしては飼いきれない状態になってしまうようだ。

ギボンは赤ちゃん時代がとっても愛らしい。肩にちょっこりのせた小さな赤ちゃん猿は人間たちの気を引く。でもその背後には母ザルを殺してそこから奪うという恐ろしい殺戮がある。

掲示板に目を通して、改めて『おまえたち、ココに来れてよかったね』とカメラを向けていたときとは違う気持ちがわいてきた。大変な体験をしてしまったけど、もう一度自由な暮らしをやり直すことができるかもしれないのだ。

動物を虐待する人間もいるけれど、動物たちをあるべき本来の姿に戻してあげようと活動している人たちもいる。こういう活動にはまったく頭が下がる。最後になるが、ギボンはプーケットではすでに25年前に密猟のために絶滅しているのだそうだ。この活動によってギボンがまた熱帯雨林に生きる動物の一員として暮らすことがこの地球上でどんなに意味があることか、改めて考えさせられた。
活動の詳細はhttp://www.gibbonproject.org/

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